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  1. マンション管理コンサルティング

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    分譲マンションの建物調査・診断や大規模改修工事の実施にあたっては、単に建築・設備に関する知識・技術にとどまらず、区分所有法やマンション管理適正化法等の法的知識に加え、入居者への細かい配慮など特有の専門ノウハウが要求されます。当協同組合では、建築・設備に関するハード面でのコンサルティングのほか、大規模改修工事の実施に際してのマンションの運営管理上の問題に対するアドバイスやご提案も行っています。

    以下、よいマンション管理を行う上でのポイントを紹介しましょう。

     

    管理運営への積極的な参画

    分譲マンションは、色々な人たちが共同で住まう住宅形態です。したがって、各世帯が一定のルールを守りながら、共同の財産であるマンションの維持管理をしていくこととなります。

    その維持管理を行う主人公は「管理組合」です。管理組合は区分所有者(※1)全員で組織されています。(そのマンションに住んでいるかどうかは問われません。)

    賃貸で部屋を借りて住んでいる場合には組合の構成員にはなれません。議決権は持てませんが、管理組合の総会の議題に利害関係をもつ場合などは、総会に出席して意見を述べることができます。

    管理組合を脱退することは任意にはできません。区分所有権を失うこと(売却すること)以外に、脱退の方法はありません。なぜなら、区分所有者は、維持・管理などについて区分所有者の共同の利益を守る義務があり、維持・管理などを行うために、区分所有者が全員で構成する団体が管理組合だからです。

    逆に区分所有者になれば(分譲マンションの所有者になれば)、その時点で自動的に管理組合に加入したことになります。

    一般的に、分譲マンションでは区分所有者の中から理事と監事を選任して、日常の管理の執行は理事が構成する理事会において決定し、理事長が管理組合の業務を統括する役割を担います。理事の任期は通常1年~2年とされている例が多いのですが、理事に選任された場合は、管理組合の業務に積極的に参画し、諸課題の解決にあたって頂きたいと思います。管理を委託している管理会社に全部を委せきりでは、いつか歪みが出てくるものです。

     

    管理規約を守る。管理規約を改正する。

    管理規約は、区分所有者がそのマンションにおける専有部分や共用部分について、また、共同生活を快適に営むために定められるマンション管理の基本ルールです。

    区分所有者(占有者も含む)は、区分所有法と同様にこの管理規約も守らなくてはなりません。

    管理規約の設定・変更等は、管理組合の総会を開き、管理規約の設定、変更等の内容について議案として提出し、区分所有者総数及び議決権総数の各4分の3以上の賛成により行うことができます。また、区分所有者全員の書面による合意があった場合にも、管理規約の設定、変更等行うことができます。

    管理規約に定める事項は、区分所有法で「建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項」と定められています。管理規約の内容はこの区分所有法の規定に合うものであることが必要であるほか、区分所有法と異なってはならない事項、個々のマンションで任意に定めることができる事項などの制約があります。

    ※1:区分所有
    マンションの専有部分(※2)を所有している状態。
    ※2:専有部分
    室内空間とその表面のことです。区分所有者が自由に改変することのできる部分です。
    ※2:共用部分
    専有部分以外の建物と建物の附属物を指します。良好な居住環境の維持のために統一した管理となる部分です。なお、どこが共用部分かについては、各マンションの管理規約において規定されています。

     

    適正な管理費・修繕積立金の設定

    管理費は、マンションの共用部分の日常的な維持・管理のために使われる費用です。その内訳は概ね下記のようになっています。

    • 管理人人件費
    • 共用部分にかかる水道光熱費
    • エレベーター・電気・防火・給排水設備等の保守点検料
    • 火災保険その他の損害保険料
    • 清掃費
    • 備品費および消耗品費、植栽維持費
    • 通信費および事務費
    • 軽微損傷箇所の補修費
    • 管理委託費(管理会社などへの委託手数料)

    この中で、管理委託費については、費用削減の見直しを行う管理組合が増えてきました。特にバブル期に建てられたマンションでは、販売時に管理会社が設定した管理費が相当高めに設定されているケースが多いのですが、マンション購入者はその管理費が当然の(所与の)ものとして受けとめられてきました。(マンション購入時に管理費が高いというクレームを申し入れても仕方がないのは事実です。)

    管理費とは別に設定されている修繕積立金は、計画的な修繕工事(※4)を行う際に必要な資金について、工事を行う際に一括して徴収するのが困難な場合が多いため、長期修繕計画(※5)に基づき、定期的(通常毎月)に各区分所有者から一定額を集め、これを管理組合が積み立てるものです。

    見直しを行って削減できた管理委託費の部分を修繕積立金に振り替えて修繕積立金の確保を行っているマンションも増えてきています。

    ※4:計画的な修繕工事
    マンションは年月と共に劣化するので、この劣化状態を新築時の状態に戻すため一定期間(通常5~15年程度)ごとに修繕工事を行う必要があります。
    ※5:長期修繕計画
    建物は年月が経つと共に必ず経年劣化が起こります。建物が作られた当時の状態を維持していくために、おおむね向こう20~30年程度の間に、いつごろ、どんな修繕を行っていけばよいか、また、その実施のためにはどの程度の費用が必要となるかを定めるのが長期修繕計画です。
    長期修繕計画の中では、外壁補修・屋上防水・給排水管取替え等を対象として、それぞれの建物について必要な修繕周期と工事金額を定め、その工事金額に見合う毎月の積立金を設定します。適切な大規模修繕工事を実施するために、また、そのための正しい資金計画を立てるためにも、長期修繕計画は約5年ごとに見直しすることが必要になります。

     

    総会・理事会の活性化

    総会はマンション全体の維持・管理の内容等について、管理組合としての意思決定を行うために開催するものです。

    総会の開催は、理事長が区分所有者全員に呼びかけて開催します。総会は会計報告、業務報告、予算案及び業務計画案を決議することから、毎年一定時期に開催する必要があります。また、定期的に開催する総会の他に、総会で決議すべき事項が発生した場合には、理事会の決議を受け、臨時総会を開催することが必要です。

    総会の成立要件は区分所有法では定められていませんが、標準管理規約では議決権総数の半数を超える組合員の出席を条件としています。(書面や代理人による議決権の行使は出席とみなす。)議事の決定方法は基本的には過半数の多数決です。しかし、規約の変更などの重要事項については、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成が必要です。また、区分所有者全員の書面による合意があったときは、集会の決議があったものとみなされます。

    理事会は、管理組合の業務を行う業務執行機関で、総会にかける議案の内容等を審議する機関です。理事はそのマンションに住んでいる区分所有者がなるのが理想ですが、区分所有法では役員の選任方法は特に規定されていませんので、管理規約の中で定められた方法を採ります。

     

    コミュニティの醸成

    マンションでいわば共同生活を送る上で色々な問題が生じてきます。特に騒音問題、ペット問題、駐車場問題は、マンション管理の3大問題といわれ、どこのマンションでも根本的な解決が難しい問題です。

    1. 【騒音問題】
      他の住居からの音がうるさくて困っている。

      マンションの居住者の誰もが加害者となったり被害者となり得る問題です。
      まず、居住者同士が話し合ったり、管理組合で議論するなどして、お互いに他の人に迷惑をかけないルール作りと住まい方を考えることが重要です。音を出すような行為の自粛や時間についての配慮、フローリング等のリフォームの内容の制限、絨毯を敷くなどの工夫をすることが基本的な解決策となります。このようなことを使用細則に定めることが解決に繋がります。

    2. 【ペット問題】
      ペットの飼育を禁止しているのに飼っている人がいる。

      規約等でペットの飼育を禁止している場合は、そのルールを守らなければなりません。
      ただし、単純に禁止としても実際に飼育をやめさせることは難しいため、居住者間で時間をかけて話し合うことも必要と考えられます。つまり、どのようなルールがあれば迷惑をかけないで済むかということについてルールを決めることが必要です。

    3. 【駐車場問題】
      全戸に1台以上の駐車場があるマンションは大変レアです。

      したがって、公正な駐車場の使用方法のため各マンションで様々な取り組みをしています。駐車区画の抽選を毎年行ったり、外部の駐車場との差額を管理組合が負担したり、来客用の駐車場を昼間に使用しない区分所有者の協力を得て確保したりなどです。
      これらの問題はマンションの個性に応じた解決法をとっていかなければいけないものです。管理組合全体でうまく解決に向かえば、良好なコミュニティを醸成することができます。

     

    大規模改修工事の実施に当たって

    マンションの新築後、通常12年~15年を経過した時点で、外壁塗装、屋上防水、バルコニー・廊下・階段の防水、玄関扉などの鉄部塗などを内容とする「大規模改修工事」を行うこととなります。

    最近は、エントランスへスロープを設置するなどバリアフリー化工事を併せて行う、防犯カメラの設置などのセキュリティ対策を設ける、エントランスを自動ドアに交換したり模様替えするなどして資産価値の向上を図るマンションも増えてきました。

    大規模改修工事は、マンションの管理組合にとって快適な居住空間を再生するためのメイン行事といえます。大規模改修工事の時期が近づいてきたら、2年くらい前から専門委員会(修繕委員会)を管理組合内に立ち上げます。大規模改修工事の発案から実施までは理事の任期を越えて数年にわたりますので、理事会だけで対応するのではなく、専門の組織を作って進めるのがベターです。

    管理規約に専門委員会の規定がない場合には、総会決議によって組織することとします。(マンション標準管理規約では専門委員会を設置することができる定めとなっています。)

    また、専門委員会は、調査又は検討をして理事会に具申する立場ですから理事会との位置づけと委員会での調査検討状況や理事会の決定がタイムリーに全戸に伝わるようにするとスムーズな合意形成ができ入居者全員の協力を得やすくなります。権限を明確にして情報を入居者と共有する(みんなに知らせる)ことが重要です。

     

  2. 賃貸マンション・テナントのリノベーション収支改善計画

    賃貸マンション・テナントのリノベーション収支改善計画 はコメントを受け付けていません

    日本の住宅の平均寿命は30年もたないといわれています。一方、ドイツでは築100年以上経った中古マンションが新築マンションより高価だったりもします。

    これまでは、老朽化した建物=建て替え(スクラップ アンド ビルド)と安易に選択しがちでしたが、解体による廃棄物の大量発生、資源の枯渇など地球温暖化や環境破壊につながる社会問題として、近年では認識されはじめてきました。

    当組合では、建物の長寿命化の追及や資産価値の低下抑制、古い建物の再生にも取り組んでおります。単なるリフォームではなく、快適な空間、美空間に再生するコンサルティングを行い、分譲マンションも、老朽化し入居率が悪くなった賃貸マンションも、リノベーションという手品により再生する提案を行っております。

     

    リノベーション事例

    1970年代に建てられた賃貸集合住宅のリノベーション事例です。
    間取りは2DK、16世帯が入居しています。

    外装には黒のガルバリウム鋼板をアクセントに用い、モノトーン調のシンプルなデザインでお化粧直しを行いました。

    内装は、限られたスペースを有効活用するため、間仕切りを排除しひとつの空間にまとめました。天井の仕上げ材も撤去し、天井高を確保したので、開放感のあるゆったりとした空間に感じられるように一新できました。

     

    また、機能面では、給水システムを本管直結方式に変更したり、給湯設備の見直し、ドアフォンやセキュリティドアの採用などバリューアップを行いました。

    (資料提供:株式会社エナプラン)

     

    時を経ることで建物の設備や間取りは老いていきますが、リノベーションによって新たな価値を与えれば、魅力的なものとして生き返らせることが可能です。

    これから日本では建物の高齢化が進んでいきます。しかしそれらを全て建て替えていくわけには到底いきません。古いものを大切に保全していくことが必要な時代です。まだまだ使うことのできる多くの既存部分を再利用するので、建て替えよりも費用を大幅に抑えられることもメリットです。ぜひ、ご検討ください。

    当協同組合では、お客様のお悩みを解決する提案を行っております。
    お気軽にご相談ください。

  3. 用語集

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    【あ】

    アスベスト
    繊維状の鉱物で、耐熱材、耐火断熱材、絶縁材、補強材など幅広い建築材料などに使われてきました。日本語では「石綿」とも呼ばれます。直径1ミクロン以下の細長い微細な繊維を吸い込むと、石綿肺、ガンなどの病気の原因となり、人体に有害なことから新築時はアスベストは使用されなくなりつつあります。その一方で、建物解体時の飛散防止対策や処理方法が問題になっています。

    【か】

    管理組合
    マンションの管理運営に関する最高決議機関です。マンションを買って区分所有者になれば自動的に管理組合のメンバーになります。築年が古かったり規模が小さくて管理組合が結成されていないマンションでは、管理運営がうまくいかないこともあります。管理組合は最低でも年に1回、総会を開き、予算案の作成や会計報告、議題について話し合い、管理に関する計画を立てます。また、複数の理事を選抜して実際の管理運営業務を行います。

    【き】

    共用部分
    マンションの建物のうち、専有部分以外の部分のことをさします。コンクリートの骨組み、エレベーター・受水槽などの設備、外廊下やエントランスなど、居住者が共同で使う対象はすべて共用部分といいます。バルコニーや専用庭は専有部分と勘違いしやすいですが、いずれも共用部分の専用使用部分になります。また、区分所有法で決められて変更できない「法定共用部分」と管理規約で決められる変更可能な「規約共用部分」があります。所有権は区分所有者全員の共有となります。

    【こ】

    コンクリート
    セメント、水、砂、砂利などの骨材を混ぜて練り合わせたものをさします。現場の施工をしやすくしたり、特定の性質を与えるために混和材料を混ぜるのが一般的です。硬化する前のフレッシュ・コンクリートを型枠に打ち込むと、セメントと水が化学的に結合する水和反応によって固まります。水とセメントの割合(水セメント比)など、混ぜる材料の調合の仕方で強度が変わります。

    【し】

    修繕積立基金
    長期修繕計画に応じた適切な修繕積立金を割り出すと、標準的な70平方メートル程度のマンションで1戸当たり5000円~6000円以上になります。毎月定期的に支払う費用を抑えるために、修繕積立金を管理費の1~2割程度に設定しているケースも多いですが、積立金額が少ないと計画修繕が上手く行きません。そこで積立金額を補うために、マンションを購入する時に一括で支払うのが「修繕積立基金」です。20~30万円程度のまとまった金額になるのが一般的です。
    修繕積立金
    マンションの外壁塗り替えなど、共用部分の大規模修繕工事には、莫大な金額がかかります。1戸当たりに換算すると数十万円以上になります。これを一度に支払うのは大変なので、前もって少しずつ積み立てておくのが「修繕積立金」です。長期修繕計画に則って、必要な費用を予測した上で適切な金額に設定することが望ましいといえます。管理費と一緒に毎月徴収するのが一般的ですが、金額が少ない小規模な補修などについては管理費から充当するケースが多い。

    【せ】

    専有部分
    マンション1棟の建物全体のうち、何階の何号室という形で区切られた室内空間のことをさします。法的には区分所有の対象になる部分をさし、普通の所有権と区別して区分所有権といわれています。壁紙や天井、床などの内装材、電気・電話の配線、給排水管のうち共用竪管までの横引き管などは専有部分に含まれます。コンクリートの骨組み自体(躯体)、外壁、戸境壁、柱などは共用部分です。共用部分との違いに注意が必要です。専有部分の面積を専有面積といいます。

    【た】

    大規模修繕工事
    マンションにおいて5~10年単位で行われる大がかりな改装、補修工事のことをさします。具体的には、外壁の補修工事、屋上やベランダの防水工事、給排水管の更新工事、非常階段や手摺りなどの鉄部塗装などが行われます。
    建物劣化診断
    建物は経年に伴い状態が変化していきます。したがって、大規模修繕工事の内容を決めたり、長期修繕計画を検討する場合には、その前に建物・設備の状態を客観的に判断する建物の調査及び診断が必要となります。これが建物劣化診断です。大規模修繕工事を行うに当たって適切な実施時期や工事内容を確定する重要な基礎資料となります。

    【ち】

    長期修繕計画
    マンションの居住性能を維持し、できるだけ長持ちさせるには、建物の状態に応じて計画的にメンテナンスしていく必要があります。特に屋上防水工事や給水管の取り替えなど、10年・20年先に予想される大規模な修繕工事については、長期的な視点に立って準備しておくことが大切です。いつごろどんな修繕が必要か、どれくらいの費用がかかるかを想定して作るのが長期修繕計画です。最低でも20年間までカバーした修繕計画が必要といわれています。

    【は】

    パイプライニング
    給排水などの配管の汚れを取り除き内面をクリーニングした上で、パイプ内部にエポキシ樹脂塗料を均一にライニングして、古いパイプを取り替ることなく、新しく蘇らせる画期的リニューアル技術です。

    【り】

    リノベーション
    既存の建物に大規模な改修工事を行い、用途や機能を変更して性能を向上させたり価値を高めたりすることをさします。建物の経年にともない、時代に合わなくなった機能や性能を、建て替えずに時代の変化にあわせて新築時の機能・性能以上に向上させることを目的としています。具体的には、耐震性や防火安全性確保し、耐久性を向上させる、冷暖房費などのエネルギー節約のため、IT化など変化する建築機能の対応・向上のために行われます。外壁の補修、建具や窓枠の取り換え、間取り変更、給排水設備更新、冷暖房換気設備の更新などを行います。
  4. 建物劣化診断について

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    建物診断はなぜ必要なのでしょうか?

    『現状の把握』が調査です
    適正でバランスの良い、合理的な維持管理および改修工事を行っていくためには、各々の建物にあった方法が必要です。そのために建物の現状を正確に把握することが必要なのです。

    『原因と影響の判断』が診断です
    現状把握をもとに、問題点があれば原因の推定と、その与える影響を想定することが必要です。それがなければ、誤った方針で維持、管理、改修工事が進んでしまう可能性があります。

    建物劣化診断を行うメリット

    • 経済的な改修工事ができる
    • 長期修繕計画作成の資料になる
    • 損傷箇所の早期発見ができる
    • 公平な入札や業者選定ができる
    • 竣工時の不都合が顕在化できる など

    的確な建物劣化診断は、長期修繕計画、大規模修繕工事成功の決め手になります。

     

    建物劣化診断と施エの分離は必要なのでしょうか?

    診断を行った会社や関連会社で工事を行うことを前提とした「工事ありき」の診断にならないよう、当組合ではエ事受注と建物劣化診断は完全に分離し、公正な立場で行うべきだと考えています。

    建物劣化診断のノウハウを持っている当組合に依頼すれば診断費用はかかりますが、不適切な診断はその後の補修に影響し、逆に多額な費用がかかることを防ぐことができます。


    建物劣化診断を施工業者さんに依頼してはだめですか?

    最近では施工業者がエ事受注のために、建物劣化診断をサービスで行うことがあります。診断をきちんとしてエ事をしましょうという姿勢は良いことですが、受注せんがための診断で内容的に問題がある場合が多く見られます。過剰診断や的確な診断がなされていないことが、皆さんに判断できるでしょうか。

    当組合では、マンションの適切な維持保全を心掛け、過剰な診断等の業務を行いません。必要で適切な診断を行い、管理組合との信頼関係の確立を重視します。


    建物劣化診断の費用は?

    当組合は非営利組織ですから建物劣化診断を実費で行っています。診断の目的を明確にし、その建物を診断するのに必要なエ数を積算して、予算を作ります。

    当組合では、無料で診断等業務を請け負うなどの過剰なサービスは行っておりません。必要な診断などの経費については必要な報酬としていただき、例えば、新たに診断等業務に参入するために、サービスとし廉価な診断(簡易劣化診断は除く。)などは行いません。

  5. 大規模修繕工事について

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    大規模修繕工事は何のために行うのですか? 

    大規模修繕の目的は、不具合の改善、バリューアップ、緊急的措置などがあります。この目的を明確にしておかないと、工事の直前・工事中になってトラブルになることがあります。また、大規模修繕をどのような体制で進めて行くのか、パートナーを誰に依頬するのかも重要です。まず、修繕の必要性や目的、体制づくりから検討をはじめます。

    大規模修繕工事の目的

    1. 躯体機能の回復
      経年によるコンクリートの劣化(鉄筋爆裂・ひび割れ・欠損・中性化等)やシーリンク材の劣化(界面剥離・硬化)により失われた、それぞれの保護機能(止水・強度)を回復させます。
    2. 美観の回復
      劣化現象(ひび割れ・欠落l 錆汁一雨垂れt 槌色等)で汚れたマンションの外観は見た目にも見窄らしく、近隣環境を壊しているばかりか、財産価値をも低下させています。新仕上げ材で元の美しいマンションに蘇らせます。
    3. 住環境の向上
      建物・設備の経年変化や生活様式の変化により低下した機能を、建物の防犯性や安全性と諸設備の生活様式の面から、改良又は改善して、住み良いマンションにします。
    4. 財産価値の維持・向上
      それぞれの工事の目的を達成させて、財産としての価値を維持、向上させます。

     

    管理組合は何から取り組めばいいですか?

    • まず、大規模修繕は役員だけで対応するのは大変なので支援組織として「修繕委員会」を作ります。
    • 他のマンションの工事見学会への参加などにより大規模修繕のすすめ方の理解を深めておきます。
    • 工事の発注方式とパートナーを決めます。

     

     

    修繕委員会は必要ですか? 

    必ず設置しなくてはならないというものではなく、マンションの規模、工事の専門性や規模、コミュニティーの濃度、人材の有無などを考慮した上で、無理のない範囲で設置を検討する方がよいでしょう。

    専門委員会は理事会の諮問機関として設置するのが普通です。このような委員会を設置する主な理由は、大規模修繕工事を進めるときには継続的で段階的な進行が必要になりますが、多くの管理組合の役員が毎年のように交代するケースが多いことと、理事会では他のことも検討・議決する必要があり、理事への時間的負担等が極端に増えることを防ぐこともその理由として考えられます。

    ここで多少注意したいのは、専門委員会と理事会が対立することが時々あるということです。この背景には、専門委員会は徐々に大規模修繕のいろいろな事情に精通してくるが、毎年変わる理事は細かいことは理解しにくいということがあります。しかも、普通の人が理事としての「決定権」をもっているのに対して、専門委員会はあくまで諮問機関としての「意見」に過ぎないという逆転現象があるからでしょう。このようなトラブルを防止するには、とにかくコミュニケーション以外にはありません。

     

     

    修繕委員の選定方法を教えてください

    修繕委員の候補や人数は、方針の決定、対外折衝、居住者への対応、広報などの役割に対応できる委員で構成できる組織となるように決定します。

    • 希望者を公募する。
    • 理事や役員経験者、他のマンションでの経験者、内部の建築士などの専門家を活用する。
    • 修繕委員会に出席できる様々な立場の人からバランスよく選出する。女性や若い人にも参加を呼びかける。
    • 建設会社の社員である区分所有者など、エ事の発注先となり得る関係者を委員にする場合には、業務範囲を明確にしておく。例えば、施工会社選定には関与しないなどです。

     

     

    修繕委員会の運営をスムーズに進めるポイントは?

    公開性の持続
    修繕委員会が何を考えているのか、大規模修繕工事にどう取り組もうとしているのか等、常に組合員に修繕委員会の情報を公開する必要があります。機関誌、「大規模修繕だより」等でその内容を広報して行くことで組合員の関心が徐々に高まります。そのことでスケジュールに則り話をスムーズに進めて行くことが可能になります。

    共通条件の設定
    修繕委員会が、大規模修繕工事の見積を依頼するときは、事前に工事範囲や工事内容、工事仕様をきちんと決めておく必要があります。このとき共通条件を提示しないと業者側は、それぞれ自分の得意な工法・仕様で見積を提出し、金額、工事内容はばらばらとなり、修繕委員会の判断が出来なくなります。「共通条件」を設定、提示してその見積を出してもらうことを心掛けて下さい。

    代理権の執行
    大規模修繕工事の執行に当る修繕委員会は、総会で承認を受けます。そのことは、修繕委員会は区分所有者の代表であり、役員はリーダーシップを持って代理権を執行、行使することが大事です。出来るだけ多くの方、皆さんが納得することを考えて、10~12、3の業社に見積依頼をした例があります。これなどは、効率を考え修繕委員会の責任で、5~3社に絞る事も必要です。色彩の決定にしても、住民の多数の意見を聞くよりは、周辺との調和を良く考えた上で修繕委員会の責任で2,3案を作成し、その中から組合員のアンケートを取り、決定して行く方がより良い結果が得られるのではないでしょうか。

     

     

    工事の発注方式の違いを教えてください

    工事の発注方式には、「設計監理方式」と「設計施工方式」「管理業者主導方式」などがあります。当組合では、「設計監理方式」を取っております。

    工事発注方式 パートナー 依頼する内容 競争原理
    診断・設計等 施工 工事監理
    設計監理方式 設計事務所等 設計事務所等 施工会社 設計事務所等
    管理会社 管理会社 施工会社 管理会社
    施工管理方式 施工会社 施工会社 ×
    管理業者主導方式 管理会社 管理会社 ×

    ▼大規模修繕工事の基本的な進め方

    設計監理方式
    右図Aの後、設計事務所等のコンサルタントを選び、そのコンサルタントにBからGまでの専門的、技術的及び実務的な部分を委託し、H(工事)の段階では工事監理を委託する方式である。設計と施工(会社)とが分離しているので、施工会社の選定を同一基準で適正に行うことができ、工事の厳正なチェックも期待できるので、管理組合にとっては安心して進められる方式である。

    設計施工方式
    Aの後、信頼のおける施工会社数社に呼びかけ、BからEまでを依頼し(ほとんどの場合無償)、そのうちから1社を選んで、そこにH(工事)も請け負わせる方式である。最初から1社に決めて行う場合もあるが、価格競争がないので、特殊なケースに限られるようである。施工会社がそのマンションの管理会社のこともある。いずれにしろ、専門的な第三者によるチェックがないので、結果的には割高になったり、安易な工事になることがある。

    管理業者主導方式
    管理組合が弱体な場合、管理組合に企画立案力や執行力が欠けるため、管理会社が管理組合の意向を受け、大規模修繕の準備や実施を主導的に行う方式である。決定は管理組合が行うが、そのお膳立ては管理会社が行う方式ともいえる。管理組合の手間は省けるが、第三者によるチェックが入らないので、設計施工方式と同様な問題点があり得る。

     

     

    設計監理方式は費用が高いのでは?

    図(1):一般に誤解されている設計監理方式のイメージ

    設計監理方式への誤解
    パートナーに設計事務所等の施工に関係ない人を選ぶときは、その費用がもったいないと思うことがあります。これは、右図の(1)のようなイメージでしょう。つまり、工事費に上乗せした余計な費用がかかるということです。しかし、設計施工方式でも調査診断、改修設計、工事監理は必要であり、その費用は施工会社の工事費に隠れているに過ぎません。


    図(2):正しい理解

    見積書に明示してないからといって、調査診断や改修設計を行わないで工事はできませんから、その費用は右図の(2)のように構成されているのです。

    業者選定を入札方式や見積合わせ方式を採用すれば、競争原理がない状態よりも工事金額は割安な適正な価格になることが普通のようです。また、施工会社が行う施工管理で果たして品質に関して管理組合が区分所有者に対して責任を持てるでしょうか。

    以上をまとめると、適正な価格で、品質の高い、確かな大規模修繕工事を実施するには、パートナー(設計事務所等の施工に関係ない経験と実績を積んだ人で)を選ぶのが、損をしない、後で後悔をしない賢い選択になるといえます。

     

     

    設計監理方式による進め方を教えてください

    パートナー(コンサルタント)として設計事務所が選ばれることが多い傾向にあります。その標準的な流れ及びコンサルタントの役割を次に示す。

     

     

    パートナーの選び方を教えてください

    大規模修繕には専門的知識と判断が求められるため、パートナーとなる専門家の協力が必要です。

    パートナーの条件

    • マンションの大規模修繕に関する実績があるか。
    • 今回行うマンションの修繕技術や実績があるか。
    • 管理組合の運営について知識やビジョンがあるか。
    • コンサルタント費用の報酬が明確か。
    • 管理組合としてコミュニケーションしやすいか。

    パートナーとのつきあい方

    • パートナーにまかせっきりにすることなく、協働ですすめていくことが大切。
    • 業務範囲や、費用が発生する範囲、責任の説明をよく理解して依頼。
    • パートナーに対する管理組合の窓口は一本化。
    • 疑問点はあいまいにしないで、パートナーに十分説明を求める。
    • 信頼できるパートナーとは、ホームドクター的存在として継続的におつきあいすることも。

     

     

    マンションの大規模修繕工事を成功させるためのポイントを教えてください

    マンションにおける大規模改修工事を成功させるために、クリアしければならない、いくつかのキーポイントがあります。

     
    • 合意の形成
    • 早期の資金計画
    • タイムスケジュールの作成
    • 調査診断と改修設計
    • 工事範囲の決め方
    • 施工業者の選定
    • 工事管理(監理)と検査
    • アフター点検と対応

    これらを理事会や修繕委員会のメンバーだけでクリアしていくのは大変な困難を伴いますので、当組合のようなコンサルタントの手を借りる管理組合が増えてきています。

    専門家で第三者的立場からアドバイスがあることで、効率的に一連の流れが進み、過剰な仕様設定を防止し、適正な施工金額が決定されるなど、管理組合の不利益が回避されるとともに、理事会、修繕委員会の負担が軽減され、大規模修繕工事をスムーズに実行することができます。

    コンサルタントを選定するときには、

    • 改修・修繕に対する知識が深いこと
    • 豊富な実績・経験をもっていること
    • 区分所有建物に対する十分な知識をもっていること

    などに留意し、費用の額だけで選定することのないようにしましょう。また、コンサルタントを利用する場合でも、管理組合が主導権をもって進めることが肝要です。

     

  6. 給排水管改善計画について

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    なぜ、同じ築年数でも配管の腐食程度にバラつきが出るのですか?

    給排水管の劣化状態は建物ごとで大きく違います。

    • 建物の立地状態
    • 竣工時の施工精度
    • 水質
    • 使用配管の材質
    • 水の使用状況
    • 給水方法 など

     

    給水管の種類を教えてください

    さびる材質の管は内部の腐食を避けるために樹脂でコーティングする更生工事が行われてきました。これまでの更生工事をしている場合は劣化が進んでいることもあります。また、劣化が著しいと更生工事では対処できないため取替(更新)工事が必要となります。

    給水管の主な材料 敷設され年代 特徴
    水道用亜鉛めっき鋼管
    (白ガス管)
    ~1980年頃まで さびやすい。さまざまな更生工事で対処。
    硬質塩化ビニル
    ライニング管
    1970年頃~現在 継ぎ手部分でさびやすい。
    SUS
    (ステンレス管)
    1980年代中頃~現在 さびにくい。最近急速に使用が増えている。
    水道用
    硬質塩化ビニル管
    ~現在 さびない。安価。専有部分での使用が多い。
    架橋ポリエチレン管・
    ポリブデン管
    1990年代~現在 さびない。継手不要。サヤ管ヘッダー工法の樹脂管として採用される。

     

     

    排水管の種類を教えてください

    雑排水管の主な材料 敷設され年代 特徴
    配管用炭素鋼鋼管
    (水道用亜鉛めっき鋼管)
    ~1980年代中頃まで 激しくさびる。
    排水用硬質塩化ビニル
    ライニング鋼管
    1980年代後期~現在 さびにくい。
    排水用鋳鉄管 ~現在 さびにくい。
    硬質塩化ビニル管 ~現在 さびない。非金属管であり、外力や火に弱い。
    排水用耐火二層管 1970年代中頃~現在 さびない。
    非金属管だが、管の外部を耐火性の材料で被覆してある。

     

     

     
     

     

  7. アスベストについて

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    『アスベスト』とはどういうものですか?

    アスベストとは、「石綿/いしわた」「せきめん」とも呼ばれており、細長い形状の天然鉱物繊維です。アスベストは摩擦に強く、燃えず高温に耐える、細菌や湿気に強いなど特性に非常に優れ、また安価であることから、長年にわたり主に住宅建材に使用されてきました。

     

    アスベストは建物のどんな所に使われていますか?

    工場や倉庫、ビル・マンションなどには飛散の恐れがある吹付けアスベストが多く使用されてきました。また、屋根や天井、外壁、床材などにもアスベスト建材が使用されている可能性があります。

    建物の建築時期とその構造から、アスベストが使用されている可能性について判断することができます。アスベストは、昭和30年頃から50年代にかけて、多くの建物に使用されており、この時期に建設された建物にはアスベストが使用されている可能性があります。

     

    アスベストでの疾病の危険性について教えてください

    アスベスト粉じんを吸入することにより、肺がんやアスベスト肺者・悪性中皮腫などの健康障害が発生している事から、アスベストが発がん性物質であることが証明されました。また空中に飛散した石綿繊維を肺に吸入すると約20年から40年の潜伏期間を経た後には肺がんや中皮腫の病気を引き起こす確率が高いため、2007年現在では「静かな時限爆弾」などと世間からおそれられています。また、平成17年7月1日より「石綿障害予防規則」が施工され、建物の解体時に石綿等の有無の判定が必要となりました。

    いづれは、判定・除去が必要な項目でありますが、早い段階での問題解決をすることにより、居住者・オーナーの不安・健康障害も解消されると思われます。 当組合では、建物に関する適正なアスベスト調査や除去方法をご提案いたします。

     

     

  8. リノベーションについて

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    リノベーションとリフォームはどう違うのですか?

    リノベーションとリフォームは同じ意味ではないの? と思う人が多いのではないでしょうか。簡単にご説明すると、リフォームとは、老朽化した建物を初期の性能に補修することを言い、壁紙の張り替えなどの小規模な工事をさします。

    一方リノベーションは、補修工事を行うところまでは同じですが、建物の持つ初期の性能以上の新たな付加価値を加えて再生させることをさします。ですから、水廻りの移動や配管工事、間仕切りの変更を伴う間取りの見直し、躯体の構造補強、外壁の模様替え、さらに建物用途の変更(コンバージョン)などを行うことをさし、工事もリフォームよりも大掛かりなものになります。

     

     
     

     

  9. 当組合の業務ついて

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    信頼できる第三者の相談相手がほしいですが…

    当組合は、工事請負業・マンション管理業・住宅販売業とは分離されており、第三者の立場を堅持しながら、公平・公正を原則に業務を行います。

    • 現場を見てもらって、工事瑕疵の相談をお願いしたい。
    • 管理組合の内部の合意形成のために、プロのアドバイスをお願いしたい。
    • バリアフリー、耐震診断の相談をしたい。
    • 建物・設備の技術的なアドバイスを受けたい。
    • 管理会社に任せきりになっているので心配だ。

    など、お困りのときはお気軽にご相談ください。

     
     

     

  10. 用語について

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    『仕様書』とはどういうものですか?

    外壁改修や防水工事、設備工事など、劣化部位の補修工事や改良工事を行うには、仕様書が必要です。仕様書は建物の改修に必要な全ての項目、内容の説明書であり、エ事の範囲、材料の規定、施工方法、施エスケジュール、支払方法などの条件を明確に記述したものです。

    仕様書は居住者の要望の集大成
    さまざまな材料や施工方法から専門家のコンサルタントを受けて、居住者の要望をまとめたものが仕様書です。

    仕様書はバイブル
    仕様書によって競争見積のルールが生まれますので、各施工業者から提示された見積書の比較、検討がスムーズに行われるようになります。もし仕様書がないと、各施工業者がそれぞれの仕様で見積りを行いますので比較ができません。

    仕様書は技術的裏付けが必要
    仕様書は全ての基礎となりますので、しっかりした経験と技術的裏付けをもって作成される事が重要です。